世の中に余っている築30年ぐらいの木造住宅の再生について考えています。
今回考えているのは自分たちが暮らしてきた住宅の再生ではなく、他人が暮らしてきた住宅を新たな住人が使う場合の再生についてです。
機能的な部分の改善は両者どちらも同じかなと思います。
異なるのはその空間に思い入れがあるのか、他人が暮らしていた感を感じてしまうのかの感覚的な違いだと思います。
この感覚的な部分は、居心地の良さに大きく影響してきます。機能的なことを満たすだけでは居心地の良い住空間をつくることはできません。
なので、どうやって他人が暮らしていた感を消していくかがポイントになってくると考えています。
今、思いついている方法は「削る」ことと「覆う」ことです。
このふたつをうまく組み合わせて他人の暮らしていた感を無くし、そして、そこで新たに暮らす人の記憶の邪魔が無くなることで、その場所での記憶が埋め込まれやすく、また喚起されやすい環境をつくっていきたいと思っています。