土間の存在とは

土間の存在とは

建築

現在計画中の戸建リノベーションでクライアントから土間を取り入れた空間に興味があるという話をされました。

プランを検討していく中で、土間は暮らしの中でどのような存在なのか、改めて考えさせられることになりました。

以前、実際に土間をつくった三鷹のいえでは、クライアントのご両親から土のついた新鮮な野菜が送られてくるという暮らしのエピソードが、私の祖母が家の土間で土のついた野菜を整理していたこととつながり、用途的なところから土間を提案することになったように覚えています。

今回は用途的な意味合いで土間を必要としているわけではないため、何故に土間をつくるのかを見つけ出す必要がありました。

意匠担当のIさんと会話を重ねる中で、土間は土足で床は上足だよねという話になり、その違いだけでも暮らしの中で感じ方が違ってくるのではということにつながっていきました。

確かに、そのような視点で考えだすと、床よりも土間の方が地面レベルに近く、その分視点が下がってきたり、土のすぐ上にいるような感覚もしそうな気がしてきます。

今回のクライアントの暮らしのなかの大切なポイントのひとつが読書の時間ということもあり、読書という行為を暮らしの切り口として考えてみることにしました。

たとえば床にすわって読むのとソファで読むのとでは過ごし方が違ってくるように、土間のベンチや土間の敷物の上や、はたまた土間を開け放った内側なのか外側なのか曖昧な場所など、多様な過ごす場所が加わることで暮らしの趣は多様性を増し、贅沢になっていくことが想像できます。

つまり、今回の計画では、用途としての土間ではなく、多様な居場所としての土間という定義が見つかったように思います。

もしかしたら前回の三鷹のいえの土間という空間も、きっかけは用途的なものでしたが、実は多様な居場所の提案として土間をおすすめしたのではないかという自身の潜在的な考えを再発見することもできました。

暮らしをつつむ器として土間という要素がその役割をいかんなく発揮できるようなプランにまとめていきたいと思います。