奈良県北葛城郡で進行中の新築住宅プロジェクト。
土地の契約も無事完了し、設計へと進んでいます。
クライアントは森林のような場所の中に建築が佇んでいる雰囲気が好きということでしたので、建築を目立たせるというよりは、佇んでいるような雰囲気で進めることになりました。
また、今回の敷地はかぐや姫伝説の地で竹林が有名なエリアだったこともあり、竹を使いたいとの要望もクライアントから頂きました。
造園家でもあるクライアントとは、これまでいくつかのプロジェクトを協同してきたこともあり、お互いの好みは何となく理解しあっている関係です。
こちらからは竹のみを配するのではなく、竹と合わせられそうな樹木の選定を依頼しました。
わたしの方では、敷地特性やクライアントの好みをもとにコンセプトづくりを進めました。
そして、広陵町一体を大きな竹林と捉え、その中に行燈としての建築を配することにしました。行燈としての建築と竹林および樹木を用いて「竹取物語」の世界観を表現することが、今回のプロジェクトのコンセプトです。
光り輝く竹林の神々しさや、変化していく心情の切なさ、そして月への回帰へと続く世界観を建築家と造園家とで表現していきたいと思います。